勉強の仕方アドバイス
「受験勉強でおすすめの問題集は?」「自分に合う問題集が知りたい」
など、高校受験の勉強を進めるにあたって、教材選びに悩む人は多いでしょう。受験勉強に欠かせないのが問題集などの教材です。とはいえ、問題集の前に「参考書」で内容の理解を深めたほうが、効率よく理解できます。その後、問題集に取り掛かるのですが、問題集は参考書以上に数が多く、種類も豊富なため、自分にピッタリの問題集を見つけるのは大変な作業となります。そこで今回は、受験勉強でおすすめの問題集を3段階のレベルに分けて紹介しましょう。自分が現在どのレベルなのかは、以下の基準を参考にしてみてください。
基礎:定期テストの点数が50点未満
標準:定期テストの点数が80点未満
発展:定期テストの点数が80点以上
以前のコラムでは、おすすめの参考書を紹介しております。
参考コラム⇒高校受験の勉強を始めるにあたっておすすめの参考書はありますか?
〇高校受験勉強におすすめの問題集
・「とってもやさしい」シリーズ 旺文社
レベル:基礎
おすすめポイント:初めての受験勉強でもこれならできる!読みやすさにとことんこだわったやさしい問題集!
いざ受験勉強を始めようと新しく購入した問題集を開いた瞬間に、ページにびっしりと書かれた問題、問題、問題!
受験生の心がくじける瞬間です。
問題を解き慣れていない子どもたちは、基礎的な問題集から取り組むことが大切です。 問題集の見た目でヤル気を失わないように、読みやすさにもこだわった問題集をおすすめします。
そこでおすすめなのが旺文社の「とってもやさしい」シリーズです。
本書を開くと、まず目に飛び込んでくるのは大きな文字と無駄のない解説です。 そして解説の内容に合わせたやさしい問題。
勉強体力の身についていない受験生も、「あ、これなら最後までできそう」と感じるはずです。
本格的に勉強を始めたばかりの、受験生を勉強に向けさせる、やさしい気持ちのこもった問題集です。
・「高校入試基礎力診断」 学研
レベル:基礎レベル
おすすめポイント:自分の苦手が一目でわかる!復習を始める前にはこの一冊!
以前、ある受験生が言いました。
「私は電気のところが苦手だから、電気を特に復習する!」
それ以来苦手克服のため、来る日も来る日も電気分野の復習をしていました。
しかし、いつまでたっても別の分野の復習を始めようとしません。
受験勉強においては、1つの苦手にとらわれすぎて他の単元の勉強がおろそかになってしまっては意味がありません。
苦手を重点的に勉強するというのは勉強法としては間違ってはいませんが、子どもたちが自分の苦手単元を客観的に把握するのは難しいことです。
手っ取り早く自分の苦手な単元を見つけられたらいいのに…
そんな方におすすめなのが学研の「高校入試基礎力診断」です。
本書はその名のとおり、自分の苦手を「診断」するための問題集です。
いくつか少数の問題に答えるだけで、自分の苦手としている単元を簡単に分析することができます。
分析結果をチャート図にまとめられるようになっており、図で残しておくことで後から確認するときも、一目で自分の苦手単元を確認することができます。
苦手単元にこそ、点数アップのための伸びしろが潜んでいます。
本書をうまく活用すれば、最短で点数アップを実現できるかもしれません。
・「ニガテをなんとかする問題集」 旺文社
レベル:基礎
おすすめポイント:苦手を見つけて集中克服!「あるある」苦手をすっきり解決!
子どもたちはさまざまな問題でつまずきます。
例えば電気分野が苦手という生徒でも、オームの法則の計算ができなかったり、磁界による力の向きが求められなかったりと、つまずくポイントはそれぞれ違います。
自分のつまずいた部分を教科書で探そうとしても、その部分の解説を見つけ出すのは子どもからすると難しいことです。
苦手を効率的に克服したい…
そんな方におすすめなのが旺文社の「ニガテをなんとかする問題集」です。
普通、問題集の目次を開くと、単元名が列挙されています。
しかし、本書の目次には多くの子どもたちがつまずきがちな、あるあるの苦手例が列挙されており、自分が苦手としているところの解説をすぐに見つけることができます。
苦手克服に時間を費やすのは骨の折れる作業で、勉強へのモチベーション低下にもつながります。
本書ならば今までどうにもならなかった苦手を素早く克服することができるでしょう。
・「教科書トレーニング」 新興出版社
レベル:基礎~標準
おすすめポイント:授業の光景がよみがえる!使い慣れた教科書で受験勉強!
受験勉強を始めるにあたって、1から勉強を始めるのではなく、学校の授業で学習したことを下地にして勉強ができるならばとても効率的です。
ここで言う学校の授業を下地にするとはどういうことでしょう?
それは、授業で使用していた「教科書」を参考書代わりに活用するということです。
教科書であれば授業で一度は学習しているため、最初から読み直す必要はありません。
全く見たことのない参考書を開いて1から勉強し直すよりも、慣れ親しんだ学校の教科書の方が勉強が始めやすいです。
そこでおすすめする問題集が、新興出版社の「教科書トレーニング」です。
本書は教科書の内容に沿ってレベル別に問題が記載されており、教科書とこれ一冊で基礎の確認から発展的な内容の学習まで行うことができます。
問題を解いていく中で見覚えのある問題に数多く出会うことができるため、他の問題集よりも断然スムーズに取り組むことができるはずです。
・「チャート式準拠ドリル」数研出版
レベル:標準
ポイント:高校受験でも信頼のチャート式!細かく単元分けされた本格問題集!
受験生ならば誰もが一度は目にしたことがあるチャート式。
大学受験用の問題集として有名ですが、高校受験でも充実のラインナップがそろっています。
「チャート式準拠ドリル」のポイントは単元の内容が細かく細分化されている点です。
例えば電気の単元は、教科書であれば3単元に分かれています。しかし、チャート式では11単元に分けて記載しています。
単元を細分化する利点は、学んだ知識がごちゃ混ぜにならないということです。
教科書では大まかに分類されている単元でも、問題としての問われ方は様々です。
例えば電流と磁界の単元だけでも、フレミングの左手の法則、右ねじの法則、右手の法則、など混同しやすいものがたくさんでてきます。
これらが一緒のページで説明されていると、何が何だったかよくわからない!ということが頻繁に発生します。
本書は問われやすい問題ごとに細かく単元分けがされているため、学んだ知識をひとつひとつ整理していくのにピッタリな問題集です。
・「実力メキメキ合格ノート」 文英堂
レベル:基礎~標準
おすすめポイント:写すだけで自然と暗記!ストレスなしでメキメキ実力アップ!
結局のところ勉強の仕方とはどのようなものが正解なのでしょう? 一言でいえば「きちんと覚えて、答えを書く」ということができるようになれば、その勉強の仕方は正しかったということになります。
しかしその単純なことが難しい…
しっかり覚えたはずが問題を解くと答えがなかなか出てこない、という経験が誰にでもあるかと思います。
いったいなぜそのようなことが起こるのでしょうか。
大きな原因は、覚えるというインプットの行為と、書くというアウトプットの行為をつなげることができていないからです。
実はこれを解決する方法は意外に単純だと考えられます。
見ることがインプットで書くことがアウトプットであるならば、見ながら書く、つまり「写す」ということができればいいのです。
子どもたちの勉強する様子を見ていても、見て覚えるタイプの生徒に比べ、書いて覚えるタイプの生徒は知識の定着度が高いです。
かといって教科書を丸写ししていては、時間がいくらあっても足りません。
そんなときにおすすめなのが文英堂の「実力メキメキ合格ノート」です。
本書の使い方は非常にシンプル。
解説である講義ノートをざっと読んだら、別冊の整理ノートの空欄に講義ノートの重要ポイントをそのまま書き写すだけ。
写すだけなので頭を悩ませる必要がなく、集中がなかなか持続しないという方でもスラスラと取り組むことができます。
1回で全部を覚えようとせず、2回3回とスラスラ書き写してみてください。
書き写した後にもう一度整理ノートの空欄を眺めてみると、答えが自然と浮かび上がってくる感覚に驚くはずです。
・「自由自在問題集」受験研究社
レベル:標準~発展
おすすめポイント:最後にたどり着くこの一冊!質、量ともに充実の本格派問題集!
ここまで様々な問題集を紹介してきましたが、あれこれと様々な問題集に手を出すことをおすすめしているわけではありません。
もし、一冊の問題集で受験勉強を完成させることができるならばそれが一番理想的です。
そこで、おすすめする問題集が、受験研究社の「自由自在問題集」です。
本書は3段階のレベルで充実した問題数が集約されている、本格的な問題集です。
各単元の始めに、まとめノートというものが記載されており、ぎっしりと重要ポイントが詰め込んであります。
さらに重要語句が空欄になっており、ページの横には空欄の答えが記載されています。 答えを見ないで空欄を全て埋められるようになるまで何度もテストを行い、すべて覚えられたら標準レベルの問題に進む、という暗記をするにはうってつけの問題集です。
しっかりと広い範囲をカバーしており、各単元の内容が深く掘り下げられている、高密度な内容の問題集です。
・「最高水準問題集」シリーズ 文英堂
レベル:発展
おすすめポイント:詳しい解説で考える力アップ!トップレベルを目指す方にこの一冊!
難しい問題とはそもそも何でしょう?
それは知識だけでは解けない問題である、ということです。
基本の学習で培った知識をもとに、考える力、推測する力が問われる難しい問題が、いわゆる発展的な問題です。
高校入試本番で求められるのもこういった発展的な問題を解く力です。
発展的な学習を行うための問題集はいくつかありますが、選ぶポイントは解説が充実しているかどうかということだけです。
なぜか発展的内容を扱う問題集には、良問がそろっていても解説はあっさりしているタイプのものが多いです。
文英堂の「最高水準問題集」は充実した解説がされている、難関高校の受験対策に大きな実績のある問題集です。
ワンランク上の学習を行いたい方はぜひ挑戦してみて下さい。
〇「フォレスタステップ」SPRIX
レベル:基礎~標準レベル
おすすめポイント:苦手を見つけて、すぐ克服!個別指導だからできる効率的学習!
最後におすすめする問題集が、私ども個別指導塾メビウスでも復習用の教材として使用しているSPRIXの「フォレスタステップ」です。
こちらのテキストは個別指導専用のテキストとなっており、塾に通うことで手に入れることができます。
本書のポイントは大きく2つあります。
1つ目は、「自分の苦手単元をすばやく見つけることができる」点です。
勉強を始める際に困ること「あるある」が「どこがわからないのか、わからない…」です。
自分がどこを勉強すべきなのかわからなければ、勉強の始めようがありません。
「フォレスタステップ」は、授業の初めに各単元の理解度チェックを行い、どこが苦手か、どこから復習していくべきか、ということを講師が瞬時に判断できるシステムを備えています。
そのため、本人が苦手としているところだけをピックアップして効率的に復習していくことができます。
ポイントの2つ目が「解説が集約されている」点です。
一般的な教材であれば「解説の多さ」が売りなのでしょうが、「フォレスタステップ」は逆に解説の量を極限まで絞った問題集です。
普通、問題集の解説は、問題を解くための重要な知識から細々とした知識まで、ありとあらゆる解説が記載されているものです。
しかし、子どもたちが多くの解説を同時に読むと、重要な知識と瑣末な知識を同時に覚えてしまい、結局何が一番大切なのかわからず、問題が解けない!といったことがよくあります。
「フォレスタステップ」では問題を解くために必要である、重要な知識だけに解説を絞っているため、各単元の重要事項を効率的に学習していくことができます。
たとえば、方程式の基本となる計算の仕方の解説が下の図です。 教科書で言うと8ページ分の解説が、10行でまとめられています。
教科書でどれだけ解説がされていようと、問題を解くにあたって必要な知識は意外とシンプルなものです。
「フォレスタステップ」の重点に絞った解説を理解することで、これまで整理できていなかった知識をきれいにまとめ、シンプルな思考で問題に臨むことができます。
〇まとめ
高校受験勉強におすすめの問題集をいくつかご紹介しました。
一口に問題集といっても王道のものから趣向を凝らしたものまで様々です。
受験勉強を成功させるためには、必要な用途、レベルに合わせて自分に適した問題集を選ぶことが大切です。
今の自分に何が必要か、ということを数多くある問題集の中から判断するのはなかなか難しいことです。
本日ご紹介したおすすめの問題集を参考に、自分の用途にあった問題集と出会い、
皆様に充実した受験生生活を過ごしていただけることを願っております。