勉強の仕方アドバイス
教科別で高校受験におすすめの勉強法は
- 英語⇒単語力・文法力・リスニング力の、三大能力
- 数学⇒計算力・公式の完全暗記
- 国語⇒「読解すること」の練習
- 理科⇒暗記分野は完全暗記。計算分野は公式の完全暗記。
- 社会⇒幅広い知識の蓄積
です。
詳しい内容はこの後で解説しています。
また、
「受験勉強が大変そう・難しくなった」「受験勉強の具体的な方法を教えてほしい」
など、受験勉強に漠然としたイメージしかなく、具体的な方法も分からないという人は少なくありません。
今回は、受験勉強というものを「普段の勉強との関係」に焦点を当てて紹介し、普段の勉強との密接な関係性について紹介します。受験勉強にいいイメージのない人は、ぜひ参考にしてください。
目次
受験勉強と普段の勉強の違いって?
「受験勉強」と「普段の勉強」は別物である、と捉えている人は、とても多いです。
確かに科目や範囲によって、「普段の勉強」が「受験勉強」と繋がっていない部分は、あります。しかし、この二つを「全くの別物」、と捉えるのは得策ではありません。
なぜなら、基本的には「受験勉強」と「普段の勉強」は密接に関係しているものだからです。
つまり、
「受験勉強」=「普段の勉強」とは言えないと同時に、
「受験勉強」≠「普段の勉強」とも、言えないのです。
普段の勉強と受験勉強の密接な関係
では、普段の勉強と受験勉強は、どのように関係するのでしょうか。
一言に“関係”といっても、様々な関係の仕方があります。
まず、普段の勉強と受験勉強には、二つの関係の仕方がある、ということを説明します。
一つ目には、内申点による関係。
二つ目には、実力による関係。
内申点による関係は、シンプルで明確ですので、まずこちらから説明します。
実力による関係は、科目によってもかなり違いますので、後ほど説明します。
1.内申点による関係
下の表は、以前のメビウスコラムからの転記です。→公立高校受験パーフェクトガイド!
公立入試において、内申点は総合点(上記右端の900点)の中で、大きな割合を占めます。
最も当日重視である倍率のタイプⅠであっても、内申点(※上記表では調査書の評定と表現)は270点分もあります。
内申点は、言い換えると学校での「普段の勉強」の評価。この側面において、「普段の勉強」は「受験勉強」に直結していると言えます。
内申点がどのように決まるかについて、細かい部分を除いて表現すると、「定期テストで決まる!」です。
遅刻・欠席・授業態度・提出物・その他問題行動が無ければ、定期テストで内申点は決まります。
※定期テスト勉強のポイントとは?以下のコラムもお読みください。⇒中学生が定期テストで点数を取れていない共通パターンとその解決法
科目別 内申点に影響するポイント
定期テストや提出課題以外で、内申に影響する気を付けるべきポイントを、科目別に簡単に紹介します。
※美術・技術家庭の作品完成度については、それぞれ美的センスや技術的センスが必須、という訳ではありません。真剣に取り組んだ結果が表れていれば評価されます。
上記を見ればわかる通り、主要5科目は基本的には定期テストの点数が全て。 副教科4科目は、積極的に授業に参加することが大きな評価基準となります。
副教科の授業態度を良くする。それは立派な「受験勉強」の一つと言えます!
2.実力による関係
「普段の勉強」と「受験勉強」が、実力という面でどう関係するのかご説明します。
まず、「普段の勉強」と「受験勉強」の関係についてまとめると、 「普段から伸ばすべき、受験で求められる力」というものがある、という話になります。
逆に言えば、
「普段の勉強としてすべきだが、受験では求められない力」もある、ということです。
以下の図1をご覧ください。
A:受験に繋がらない勉強
…内申点の為にはすべきですが、受験には直接繋がらない勉強です。
B:普段はしない受験の為の勉強
…学校ではしないですが、受験には必要となる勉強です。
C:普段の勉強の中で受験に繋がる勉強
…普段から学校でする勉強であり、かつ受験にも必要となる勉強です。
では、A B C それぞれの例をご紹介します。
A:受験に繋がらない勉強
受験に繋がらない勉強は、副教科です。
内申点と言う意味では、直結しますが、実力としては原則必要ありません。
入試の学力検査は英語・数学・国語・理科・社会の5科目が基本だからです。
つまり、例えば音楽の定期テスト勉強をする時に「受験当日まで覚えておかなければ…!」
という気負いは必要ありません。
また、主要五科目(英数国理社)であっても、受験に繋がらない勉強はあります。
例えば社会の時事問題。その時その時に必要な知識であり、過去の内容を覚えていても受験本番には直接繋がりません。
また、英単語についても「定期テストには必要で、受験には必要ではないもの」があります。
最後に、国語における「本文内容自体の暗記」は意味がありません。
定期テストの勉強としては非常に有効ですが、その本文は入試には出ないからです。
B:普段はしない受験の為の勉強
受験のために必要な能力を二つ挙げるなら、それは「読解力」と「応用力」です。
この二つは、定期テストでは測りづらい力です。たとえ、定期テストで90点以上を取っていたとしても、「読解力」と「応用力」があるという証明にはなりません。
言い換えると、定期テストは「読解力」と「応用力」が高くなくても点数が取れるテストです。
「読解力」と「応用力」の、具体的な例を挙げますと、以下の3つです。
- ①英語の長文を、スピーディかつ正確に読解する力
- ②国語を始めとする、文章問題を読解する力
- ③特に数学において複雑な問題を、初見で解く応用力
①:英語の長文読解については、普段中学校であまり取り組むことはありません。しかし、英語の入試本番では必ず長文読解が出題されます。
長文問題をスピーディに読むには、単語力と文法力だけでなく、やはりたくさんの英語長文を読むという練習が必要になります。
②:国語はもちろんのこと、入試問題というものはとにかく問題文が長いものです。
定期テスト問題の文章量と比較すると、全科目平均して考えても、その文章量は約3倍。(感覚的にですが。)
問題を考える以前に、「何が問われているか」すらわからない状態にならないよう、長い問題文を読み解く読解力が必要です。
③:数学の入試問題は、一言で言ってとても難しいものです。もちろん、基本的な計算問題も出題されますが、大半は難しい問題です。
どれくらい難しいのか?というと「定期テストの最後の問題よりも難しい」と言えば分りやすいかと思います。
つまり、入試の数学で高得点を取ろうと思えば、定期テストレベルの勉強だけしていてもダメなのです。
また、入試問題も学校によって難易度に差があります。
志望する高校によって必要となる対策も異なってくるので、以下のコラムも参考にして下さい。
大阪府立高校の入試制度について教えてください!
公立高校受験について教えてください!
C:普段の勉強の中で受験に繋がる勉強(高校受験におすすめの勉強法)
先述したA・B以外の勉強が、受験に繋がる普段の勉強ということになります。
つまり、主要五科目のうち、Bで挙げた「読解力」「応用力」を除いたすべてが、ここに該当する訳ですので、Cが最も多くを占めることになります。
先ほどの図1でも、視覚的にCを一番多くしましたが、本来はもっとCの領域は広いと思ってください。
そのため、高校受験におすすめの効率的な勉強法は「受験に繋がる普段の勉強を意識的に行うこと」となります。
主要五科目それぞれで、普段の勉強で特に意識した方がいいポイントについてご紹介します。
高校受験で意識すべきポイントは以下です。
- 英語⇒単語力・文法力・リスニング力の、三大能力
- 数学⇒計算力・公式の完全暗記
- 国語⇒「読解すること」の練習
- 理科⇒暗記分野は完全暗記。計算分野は公式の完全暗記。
- 社会⇒幅広い知識の蓄積
英語⇒単語力・文法力・リスニング力の、三大能力が必須!
英語の定期テストで常に求められる単語力・文法力・リスニング力は、入試本番でも当然求められます。
むしろ、この三つの力を持っている事が、英語の入試問題を解くための前提条件と言っても良いです。
中学校でしばしば行われる「単語の小テスト」や、「リスニングの練習」があれば、それは立派な受験勉強であると捉えましょう。
数学⇒計算力・公式の完全暗記が必須!
数学の計算力は、軽視されがちです。
しかし、計算の正確性とスピードの向上に限界はありませんし、計算の正確性とスピードは高ければ高いほど、入試には有利です。
これは公式暗記においても同じことで、「ただ使える」ことではなく正確性とスピード(ここでは、使うべき場面で反射的に思い浮かぶという意味)が、入試では求められます。
定期テストは、その訓練にピッタリであると言えます。
国語⇒「読解すること」の練習は、定期テストで十分に可能!
“国語の読解問題は、入試本番でどんな問題が出るかわからない為、勉強のしようがない”…このセリフを言う人は多いです。
しかし、中学校の国語の教科書には、三年間で11の物語、7つの説明文、6つの詩、8つの古文・漢文などが収録されており、それぞれを中学校の授業で丁寧に「読解」するのです。これだけの数の読解練習をすれば、入試本番の文章に対しても、ある程度の読解が可能な力が十分に身に付きます。
冒頭のセリフを言う人に限って、普段の国語の授業を軽視していることが多いです。
理科⇒暗記分野は、入試問題もそのまんま出題!計算分野は公式の完全暗記が必須!
理科の暗記分野(植物のつくりや生物のからだのしくみなど)は、定期テストと全く同じレベルの問題が出ると思って良いです。
つまり、普段の勉強がイコール受験勉強であると捉えましょう。
計算が必要な分野は数学と同じで、公式を使うべき場面で反射的に思い浮かぶ状態が、入試では求められます。定期テストは、その練習にうってつけです。
社会⇒地道な努力が入試に直結!「知識」の純粋な蓄積で入試満点も可能!
普段の努力が入試で報われる度合、言い換えると “燃費”が最も良い科目が社会です。
問題の出題形式が若干ひねられるという点はありますが、基本的には「知識」。「知識」ある者が勝ちます。
定期テストレベルの内容を完璧にすることで、入試本番、満点を取れる可能性もあります。
メビウスにおいても過去、入試本番満点だった生徒が一番多いのが、社会です。
まとめ
受験勉強とは何か、普段の勉強との関係から、ご紹介しました。
その難易度から、とかく特別視されがちな受験ですが、その勉強においては「普段の勉強」がどれだけ重要であるかがお分かりいただけましたでしょうか。
受験は、 “「普段」の積み重ねが「価値」を産む”という、好例だと思います。
受験勉強として、特別にした方がよい勉強(今回の記事で言うBの領域)は、確かにあります。
しかし、Bの勉強も結局は、「普段の勉強」を丁寧に積み重ねている人ほど、成果が出ます。
むしろ、普段の勉強をおろそかにしている人が急にBの勉強を始めても、前提の部分での抜けが多過ぎることにより、なかなか身に付かないのです。
受験という言葉から連想する“難解”というイメージ、それに振り回されることなく、目の前にある「普段の勉強」をいかに重視するかが大切です。