勉強の仕方アドバイス
「子どもの成績をあげるために、親からもサポートしたい」
などと考える保護者の方は多いでしょう。実は、親だからできることとして、インターネット上に公開されている“勉強サイト”の活用ができます。中には「本当に無料?」と疑いたくなるほどクオリティーの高いサイトもあるのです。しかし、中学生自身が使うとなると少々ハードルが高いため、保護者の方からサポートという形で活用できるでしょう。そこで今回は、保護者の方向けに数ある勉強サイトから活用しやすい勉強サイトをピックアップし、勉強サイトを活用して子どもの成績を効果的に引き上げる方法を紹介します。
目次
そもそも成績を上げるためには何が必要か?
成績をあげるためには、まずはその構造を理解しておきたいところです。
とてもシンプルな話ですが、「わからない問題」を「できる問題」に変えれば成績は上がります。
図にするとこんな感じです。
ポイントとなるのはオレンジの矢印の部分です。
「わからない」からできないわけなので、まずは「わからない」ところを理解して、「わかる」にする必要があります。
「わかる」になればできるか?と言われれば、そうではありません。理解していてもできないケースはたくさんあります。
例えば、「計算の仕方はわかっているのに、計算ミスをしてしまう」だとか、「三単現のsを付け忘れてしまう」といったケースです。
こうしたミスは「ケアレスミス」とひとことで片づけられてしまいがちですが、実は反復する回数が不足していることが原因です。分かったとしても、何度もくりかえし問題を解いていかなければ「できる」ようにはなりません。
成績をあげるためには、まずはこうした構造を念頭において、①「理解する」②「反復する」という2点をおさえながら勉強に取り組んでいく必要があります。このことをまずはしっかりとお子様に伝えてあげてください。
①「理解する」ために活用できる勉強サイト
成績を上げるためには、まずは①「理解する」という過程をおさえることが必須です。そこで、①「理解する」という過程において活用できそうな勉強サイトをいくつか紹介します。
やさしくまるごと中学○○_動画|学研出版サイト http://hon.gakken.jp/reference/special/yasamaru/mov.html
5科目すべてにおいて、動画による解説を見ることができます。かなりたくさんの動画があるので、学習したい単元がきっと見つかると思います。
e-CLUS
http://e-clus.com/
動画による解説が中心のサイトです。国語以外のすべての教科を網羅しており、そのうちの一部を無料で見ることができます。
これらのサイトでは単元ごとに解説がまとめられています。分からない単元が見つかったらこれらのサイトを活用して、「わからない」⇒「わかる」に変えていきましょう。
とはいっても、中学生がネットで「自分のわからないところを調べる」のはハードルが高いので、保護者の方から「わからないときは、こんなサイトを見てみたら?」といったサポートが必要かもしれません。
あらかじめリンクなどを登録しておいてあげると、必要なときに自分で閲覧する習慣がついていいかもしれませんね。
②「反復する」ために活用できる勉強サイト
「理解する」という過程をクリアしたら、次は②「反復する」ことが大切となります。何事も反復練習は大切です。
勉強における反復練習とは、類似問題を何度も解くことです。以下で紹介する勉強サイトにはたくさんの練習問題がまとめられているので、繰り返し練習するのに活用してみてください。
ひとつのサイトに載っている問題がミス無くできるようになってくれば、色んなサイトをまわって類似問題をたくさん解くのもいいかもしれません。
中学・学習サイト
http://study.005net.com/
5科目の練習問題がたくさん載っているので、ほとんどすべての単元で問題が見つかると思います。
中学校数学学習サイト
http://math.005net.com/
中学・学習サイトと姉妹サイトのようですが、載っている問題は違います。特に数学は反復が重要なので、「たくさん演習をしたい!」という方にオススメです。
無料で使える中学学習プリント
http://chugaku.manabihiroba.net/
2016年5月18日時点で「サイトのリニューアル中」となっていますが、演習プリントは問題なくダウンロードできます。
問題を解いていくと、同じ間違い方でのミスが出てくると思います。注意しておきたいのは、こうしたミスをケアレスミスで片づけさせないことです。
本人からすれば、解き方は「分かっている」のでつい「ケアレスミス」として片づけてしまいがちです。
しかし、ケアレスミスで片付けてしまうとあまり反省をしないため、結果として、また同じミスを繰り返してしまいがちです。
そこで、ケアレスミスをしたときは“具体的な行動”として改善点を伝えてあげてください。
例えば、計算問題で符合ミスが多いようであれば「次からは符合を大きく書くようにしよう」といったように、具体的な改善行動として伝えてあげることが大切です。
具体的な改善行動を意識しながら、何度も繰り返し問題を解いていくことで、次第にミスをしなくなっていきます。これが「できる」という状態です。ここまでくれば確実に成績は上がります。
定期テスト勉強における活用の仕方は?
ふだんの勉強では上に書いたような活用の仕方でいいと思いますが、定期テスト前になると少し使い方に工夫が必要かもしれません。
なぜなら 定期テスト前は時間がないからです。
定期テスト前になると、学校から提出物がたくさん出されます。計画的に提出物に取りかかることができれば良いのですが、テスト前日になっても提出物に追われている・・・といったケースがよく見受けられませんか?
ふだんの勉強と同じように勉強サイトを活用していると「時間がいくらあっても足りない!」となってしまうかもしれません。
そこで、オススメなのは 先に提出物に取りかかってしまうことです。
いきなり提出物に取りかかると、わからないところが出てくるハズ。そのときこそ勉強サイトの出番です。
わからないところが見つかったら、上に挙げた勉強サイトを見て、わからないところを理解しましょう。解説ページが単元ごとに分かれているので、わからない問題の解説がすぐに見つかるはずです。
理解することができたら、さっきまでわからなかった問題にもう一度取りかかります。「わかったつもり」になっているかもしれないので、必ずもう一度やってください。
解き直しをして、自分で解けるようになっていたらOKです。
提出物に追われて時間がない定期テスト前だからこそ、あえて提出物で課題をあぶり出し、勉強サイトで理解するといった流れで進めていきましょう。
学習塾に行かなくても大丈夫なの??
結論から言えば、人によります。勉強サイトがあれば学習塾に通わなくても大丈夫な人もいます。それは①「理解する」・②「反復する」の2点が自分自身で実行できる人です。
上述したような過程をふめば、できない問題はできる問題に変わり、確実に成績はあがります。ここでポイントとなるのは、①「理解する」・②「反復する」の2点を確実に実行できるか否かです。
これができるようならば、学習塾に通わなくても大丈夫かと思います。
しかし、正直なところ、これが自力でできる中学生はほとんど見たことがありません。想像してみてください。「わからないところは自分で理解するまで調べて、何度も反復演習できるように計画的に勉強する中学生」。
・・・なかなかいないですよね。
この意味でいえば、ほとんどの人は学習塾に行った方が効率的に学習できると思います。
学習塾では①「理解する」②「反復する」の2点を計画的に実行できる仕組みが整えられています。それがカリキュラムといわれるものです。
それぞれの学習塾において多種多様なカリキュラムがありますが、それらはすべて
①「理解する」の過程においては、いかに分かりやすくできるか?
②「反復する」の過程においては、いかに効率的に定着させられるか?
という視点で磨き上げられてきた経験知の結晶というべきものです。
ですから、カリキュラムに乗って学習することによって、自然に①「理解する」②「反復する」といった過程をふむことができるわけです。
この意味で言えば、ほとんどの場合は学習塾に通った方が効率的に成績を上げていくことができると思います。
学習塾に通っている人に勉強サイトは必要?
あくまでも塾の先生という立場からの意見ですが、習っている科目の場合、基本的には不要かと思います。なぜなら「まずは塾のカリキュラムをしっかりやってほしい」という思いがあるからです。中途半端にあれもこれもかじって、塾のカリキュラムがしっかりできないのでは本末転倒ですよね。
それに、わざわざネットを利用しなくても、分からないところは質問に答えてくれる自習環境がありますし、繰り返し問題を解けるように問題集を置いています。まずは塾を活用していく方が良いと思います。
まとめ
勉強サイトを活用して中学生のお子様の成績を効果的に上げる方法をまとめました。
成績を上げるためには、①「理解する」・②「反復する」という2点をおさえる必要がありますが、このことを理解して勉強に取り組むことができる中学生はなかなかいません。
本人まかせで勉強サイトを利用するとついつい「ただ見ただけ」とか「ただ問題を解いただけ」となってしまいがちなので、保護者の方がサポートしながら上記の方法でうまく活用してみてください。