塾選びのポイント
「うちの子は個別指導塾に向いてる?」「子どもに合った塾が分からない」
などと、塾を検討されている親御さんから度々ご相談をいただきます。確かに、それぞれ子どもによって合う指導スタイルというのはあるでしょう。そこで今回は、これまで個別指導塾の現場で千人近くの子どもをお預かりしてきた経験から、個別指導塾に向いている生徒と、個別指導の中での指導スタイルの違いについて紹介します。
※個別指導塾の特徴について詳しく知りたい方は以下もご参考下さい。
目次
そもそも個別指導塾とは?
個別指導塾とは、先生1名につき生徒1〜3名の生徒が授業を受けるといったタイプの塾のことを言います。
一般的に先生1名につき生徒1名までの指導スタイルを1:1(1たい1)と呼びます。
同様に、先生1名につき生徒2名を1:2、先生1名につき生徒3名を1:3と呼びます。
テストで70点以下は個別向き、70点以上は集団でも個別でもOK
定期テストの成績が70点以下の場合は、個別指導塾の方が向いていると言えます。
とはいえ、70点以上の場合は、個別指導塾が向いていないというわけではありません。
70点以上あれば集団塾でもついていける可能性が高くなるため、どちらを選んでもかまいません。
後で詳しく述べますが、70点以上であれば、比較的費用の安い1:3の個別指導を選択肢に入れることができます。
一般的に、集団塾であれば先生1人につき、10名以上の生徒に対して同時に授業をします。指導スタイルは基本的に学校の授業と同じです。
学校における集団形式の授業で授業内容が理解できているのであれば、集団塾に通っても十分についていけます。
しかし、学校の授業でつまずきがある場合は集団塾に通っても「ついていけない」という問題が発生してしまいます。
集団形式の授業についていけない場合には、個別指導塾の方が向いています。
そこで目安となるのが、定期テストで1科目70点以下です。70点以下になると、すでにどこかつまずきを抱えている可能性があります。
たまたま今回のテストではできなくて70点以下の可能性もありますが、2回つづけて70点以下の場合にはすぐに対策を検討すべきでしょう。
特に、英語や数学は「積み上げ科目」と呼ばれるので注意が必要です。
英語や数学は1年生〜3年生にかけて学習内容を積み上げていきます。
社会や理科であれば、例えば「室町時代」のテストが全然できなくても「明治時代」のテストに影響することはありません。
しかし、英語や数学の場合は、過去形の使い方が分からないと過去進行形の単元に影響します。
また、方程式の解き方が分からなければ、関数や図形問題に影響します。
実際に、個別指導塾の現場では、図形問題の授業中に「方程式の解き方が分からない」といったようなケースが頻繁に発生します。
しかも、こうしたつまずきはひとつでない場合がほとんどです。
図形問題を解いている最中に、方程式がわからない、等式変形ができない、そもそも公式を覚えていない、などなど・・・。
このとき、マンツーマンで先生がとなりにいれば、そのつまずきがその場ですぐに解決できます。
“その場ですぐに解決できる”ことは成績を上げるためにとても重要です。
分からないところを分かるようにすることで成績はあがります。
しかし、多くの子どもが、途中でつまずくと「分からない」といって投げ出してしまいます。
図形問題を勉強しているときに、方程式が解けなくて、途中で投げ出してしまう。すると、図形問題もできなくなってしまう。
こうした状況が繰り返された結果、テストの点数が下がっていきます。
英語や数学のテストが70点以下の場合には、こうした負のスパイラルに陥っている可能性が高いです。
こうした負のスパイラルに陥っている場合には “その場でつまずきをすぐに解決できる”といったサポートが必要になります。
そのため、個別指導の方が向いていると言えます。
1:1〜1:3のどの指導スタイルに向いているの?
ひとくちに個別指導塾といっても、1:1、1:2、1:3という指導スタイルによって向き・不向きがあります。
その塾の指導スタイルが1:1なのか、1:2なのか、1:3なのか、という点には注意をしながら塾を選ぶ必要があります。
そこで、以下では1:1〜1:3の個別指導のそれぞれの特徴を解説していきます。
1:1の個別指導塾が合う子どものタイプとは?
ひとくちに個別指導塾といっても1:1から1:3以上の指導形式があり、費用の面でも大きく違います。
1:1の個別指導とは、先生1人につき生徒1人、文字通りマンツーマンの授業を行う指導形式のため、授業料はもっとも高額になります。
1:1の授業スタイルに合う子どものタイプは、
といったタイプです。
あくまでも個人的な意見ですが、上記に当てはまらない方は1:2、1:3以上の指導形式で十分だと思います。
個別指導塾の授業は「解説・質問をする時間」と「演習をする時間」に分かれています。
1:2であれば片方の生徒が解説の時間のあいだに、もう片方の生徒は問題演習をする、といったように時間を有効に使えます。
しかし、つまずきがたくさんある生徒はすぐ手が止まってしまい、やる気や集中力に欠けると言われがちです。
実際にはこうしたタイプはつまずきが多すぎて問題を先に進められないことが大きな原因となっています。
その原因を解決するためには、つまずいた瞬間に解決してあげることが大切。
そのため、こうしたタイプの子どもは1:1の個別指導塾が向いていると言えます。
1:2の個別指導塾が合う子どものタイプとは?
個別指導塾の多くは、この1:2の授業スタイルになります。
私共個別指導メビウスでも1:2の授業スタイルを採用しています。
片方の生徒が解説・質問をしているあいだに、もう片方の生徒は問題演習をしている、という授業スタイルです。
1:2の個別指導塾に合うタイプは、
のようなタイプです。
つまずきがあったとしても、そこまで多くない場合には1:2の授業スタイルに向いています。
どちらかといえば、向いているというよりも、1:2で十分という言い方が正しいかもしれません。
1:2であれば、別の生徒が演習をしているあいだ、先生の解説を聞いたり、質問をしたりする十分な時間があります。
つまずきをその場ですぐに解決することができるのです。
ただし、テストで30点~70点とはいえ、自分で演習を進められることが必須となります。
1:2であれば、必ず「ひとりの演習の時間」があります。このときに演習を放棄してしまうタイプの子どもは1:1向きです。
演習の時間に自分の頭で考え、与えられた問題に自ら取り組むことができるのであれば、1:2の指導スタイルに向いているといえるでしょう。
1:3の個別指導塾が合う子どものタイプとは?
1:3の指導スタイルのメリットは授業料が比較的安いという点です。
とはいえ、やはり生徒一人当たりの指導時間が短くなってしまう点には注意が必要です。
1:3の個別指導に合うタイプは、
というタイプです。
1:3の指導スタイルでは、指導時間が短くなってしまうため、つまずきが比較的少ない子どもに向いていると言えます。
(学力の面でいえば集団塾でもついていける可能性があるため、1:3の指導スタイルに向いているというよりも、どちらも選択肢に入れることができるという方が正しいかもしれません。)
ただし、テストで70点以上といっても、自分自身で勉強の管理ができていることが必須です。
勉強の管理ができているとは、自分の分からないところが自分でどこか分かっている、ということです。
自分の分からないところがどこなのかを把握していて、そこを塾で解決する。
上手に塾を使うことができるタイプと言い換えることができます。
こうしたタイプの子どもは1:3の指導スタイルや集団塾を選ぶことで、授業料が安いという利点もあります。
まとめ
個別指導塾に合う子どものタイプを紹介してきましたが、基本的には成績で個別指導塾に向いているかどうかを判断すると良いです。
目安としては、
- 30点以下は1:1の個別指導向き
- 30~70点は1:2の個別指導向き
- 70点以上は1:3の個別指導or集団塾向き
となります。
ただし、点数にかかわらず、性格の面で「自分ひとりで演習ができない」「自分で勉強の管理ができない」
といった場合には、柔軟に子どもに合った指導スタイルを選ぶことが大切です。