塾選びのポイント
「中学生の塾の選び方が分からない」「塾選びのポイントがあれば知りたい」
などと、塾選びをするにあたってその数の多さに頭を抱えている人は少なくないでしょう。塾・予備校検索サイト「塾ナビ」によると、大阪府の枚方市で141教室、高槻市で123教室、寝屋川市で102教室、さらに隣の滋賀県大津市では115件が登録されています。(2020年8月現在)これは塾ナビに登録している教室数のみですので、実際は更に多くの塾が存在していることになります。これだけの数の中からいい塾を見極めて探していくのは困難ですよね。そこで今回は、どのような基準で個々に合った塾を探せばいいのか、塾選びのポイントについて説明していきます。
※なお、偏差値については五ツ木模試のものを参考にしています。
目次
いつごろから通わせればいいですか?
いつごろから通うべきか、正解はありません。塾が必要かどうかは、生徒ひとり一人の状況によって、いくらでも変わるからです。
基本的には、現状の成績と、志望校との差を考えると良いです。
志望校がまだ分からない場合は、だいたいどの辺りの偏差値の高校に進学したいか、でも構いません。
例えば、将来的に大学進学も視野に入れるのであれば、
少なくとも交野高校(偏差値45)以上の高校に入った方が、進学できる可能性が高まるので良いでしょう。
大学に進学できる高等学校の偏差値を教えてくださいを参考にしてみてください。
例えば、以下のような4名がいたと仮定してお話しします。○中学校平均点 定期テスト 300点 /実力テスト 250点
まず、枚方高校を目指すにあたって、目安としてどれくらいの成績が必要なのか。以下は、高校選びと偏差値の関係についてからの引用です。
一概には言えませんが、中学校の定期テストで平均点を取っている生徒が五ッ木の模試を受けると、偏差値は45±2くらいになることが多いです。 逆に、五ッ木偏差値が50くらいの生徒というのは、中学校の定期テストで平均点を各科目で10点以上、上回っている生徒であることが多いです。
つまり、偏差値50の高校の場合、学校の平均点よりも、5科目で+50点以上は必要となります。
枚方高校は、偏差値51ですので、およそそれにあたります。 それを踏まえて、以下をご覧ください。
【塾を検討した方がよいかどうかの目安】
中学1年生の場合は、3学期での成績として仮定してください。(1~2学期は比較的、問題が易しいためです)
中学3年生の場合は、1学期の成績として仮定してください。
Aさん・・・急ぐ必要はない
Bさん・・・場合による
Cさん、Dさん・・・要検討
まず、学校のテストの目安として、定期テスト350点、実力テスト300点くらいは取っておきたいところです。
※(中学校により異なる場合がありますので、あくまで参考)
【Aさん】
成績に関しては、全く問題ありません。これだけ成績が取れていれば、塾に通わなくても、自分でしっかりと勉強できている証拠になります。
志望校が枚方高校であれば、中学3年生でも無理して塾に通う必要性は低いと考えられます。
また、牧野高校(偏差値55)や寝屋川高校(偏差値61)等の、より上位の高校を狙うことも可能です。
ただし、中学1年生の場合は、様子見です。中学2年生以降も、同じように成績を取っていけるかどうかは分かりませんので、注意しましょう。
【Bさん】
Bさんは枚方高校を目指すのに最低限は取っておきたい成績です。
ただ、中学1・2年生であれば、次学年も同等以上の成績を取っていけるかどうか。
中学3年生であれば、2学期以降も同等以上の成績を取っていけるかどうかが問題です。
よって、場合により塾の検討も必要になるでしょう。
志望校を同じとする、同等の成績を持ったたくさんの受験生との競争になりますので、油断せずに実力アップに努めましょう。
特に中学1・2年生であれば、次学期または次学年のテストで、勉強のしかた次第で、現状より合計-50点以上下がることは、十分ありえます。
こればかりは、個人個人いろいろな要因が絡みますので、一概に言えません。
<成績が下がってしまう要因例>
①勉強時間が減少した。
(部活や習い事との両立が困難になった。単純に、やる気がなくなった等)
②学年が進むにつれて問題が難しくなり、ついていけなくなった。
【Cさん】
Cさんは、積極的に塾を検討した方が良いでしょう。
例えば、BさんとCさんを比較してみます。2名とも、定期テストは同じ成績です。ただし、Cさんの方が、かなり危険な状態です。
<実力テスト>
Cさんは、定期テストと実力テストの差が100点もあります。実は、両テストの点数の開きが大きい生徒は、非常に多いです。
学校の平均点で見た場合、実力テストは定期テストの概ね-50点程度になることが多いので、-100点は差がありすぎです。
要因としては、復習ができているか、いないかの差です。定期テストは範囲が指定されているので、そこをしっかり勉強すれば点数が取れます。
しかし実力テストは、1年生から習ってきたところ全てが範囲であり、どの単元が出題されるかも分かりません。
受験する高校を決めるにあたって、実力テストは非常に重要視されますので、注意しましょう。
<内申点>
Cさんは、Bさんよりも内申点が低いです。一般的に内申点は、定期テストの成績と平常点を加味して決められます。
平常点とは、学校での授業態度、提出物(宿題)の提出状況、体育や音楽などの副教科であれば、実技点などが含まれます。
定期テストは同等なのに、内申点に差がある場合は、平常点に問題があります。
平常点に問題があるということは、間接的に今後の定期テストの成績にも影響を与える可能性が高くなります。
授業態度に問題がある ⇒ 授業内容をしっかり聞いていない。
提出物(宿題)の提出状況が悪い ⇒ 学習時間が少なくなる。
つまり、成績が下がってくることに繋がります。こういった意味でも、BさんよりもCさんの方が、現時点で不安要素が大きいと言えます。
【Dさん】
Dさんも、積極的に塾を検討した方が良いでしょう。
Bさんと比較してみます。
定期テスト、実力テストともに、Bさんの方が高いです。しかし、内申点で見た場合、同等となっているところに注目です。
テストでは差があるのに、内申点が同じ。この現象は、普通にあります。Dさんは、Bさん以上に平常点で頑張っていると言えます。
例えば、真面目に授業を聞いているだけでなく、積極的に手を挙げて発言や質問をしている。
副教科の実技点が優れている。提出物(宿題)の漏れが一切ないうえに、きれいにまとめられている。等々、要因はいろいろ考えられます。
つまり、もしDさんがBさんと同じテスト点数を取った場合、Bさんよりも内申点が上回る可能性があります。
どんな塾を選べばいいのでしょうか?
一般的な選択肢として、集団塾、個別指導塾、家庭教師の3つがあります。
どのような塾が合うかは、個人個人まったく違ってきますので、一概には言えません。
ただ、一般的な指標だけご紹介しますので、参考にしてみてください。
【集団塾】
ある程度の学力があり、一定のカリキュラムに沿って、どんどん学習を進めたいという場合は、集団塾が向いている可能性があります。
【個別指導】
苦手科目の克服、質問のしやすさ、部活や習い事との両立等を重視するのであれば、個別指導が向いている可能性があります。
【家庭教師】
学習習慣や勉強のしかたから、手取り足取り指導してもらいたいという場合は、家庭教師が向いている可能性があります。
また、学校を休みがちである場合もしっかりサポートしてくれます。
それぞれの特徴について詳しくは、以下のコラムをご参考ください。
また、個別指導塾であれば、以下も参考になります。(枚方市在住の方以外でも参考にできます。)
志望校で塾を選べばいいのですか?
志望校で塾を選ぶことは、ある意味で正解ですが、絶対ではありません。
まず、ある意味で正解と言ったことについて述べます。
例えば、志望校が寝屋川高校だとします。
そうであれば、寝屋川高校、あるいは同等の偏差値の高校への合格実績が多い塾であれば、合格できる可能性も少なからず高まります。
実績があるということは、その高校へ合格するためのノウハウやカリキュラムを、その塾がしっかり持っているとも言えるからです。
しかし、志望校だけで塾を選ぶことは正直おすすめしません。
何よりもまず、「生徒本人がどんな状態なのか」を、しっかり見極めるべきだからです。
これには生徒の性格も関係してきますので、先述した、Bさん、Cさんの成績を例に挙げて説明します。この2名の5科目ごとの成績が以下のようだとします。2名とも合計点は同じですが、科目ごとの点数に違いがあり、性格は真反対です。
【Bさん】
数学と理科だけが極端に低い、典型的な文系タイプです。
特に数学が完全に苦手科目になっていますので、それだけ克服したいのであれば、個別指導で良いかもしれません。
数学・理科に関しては学校の平均点以下と考えられますので、集団塾ではついていけない可能性も十分あります。
社会が高得点ということは、暗記力は備わっているので、数学の改善により、理科も飛躍的に伸びる可能性があります。
性格も消極的な方だとすれば、質問しやすく丁寧に教えてくれる個別指導が合っている可能性があります。
【Cさん】
5科目平均的にできるタイプです。特に苦手科目はなく、全て平均点以上をしっかり取っている。
けれど、これ以上の点数へは伸び悩んでいる。そんな場合は、集団塾が向いているかもしれません。
基礎学力はある程度身についていると考えられますので、集団塾の授業にもついていけるでしょう。
性格も積極的ですので、質問しづらくて困ることもないはないはずです。
ただし、これはあくまで目安ですので、絶対ではありません。参考程度にご覧ください。
まとめ
塾選びは、非常に難しいものです。
成績も志望校も性格も十人十色だからです。だからこそ、生徒に合った塾選びは慎重に行った方が良いです。
塾選びによって成績が変わるとすれば、それはその生徒の将来に影響を与えうるものにもなります。
生徒の状況により、合う塾・合わない塾があります。検討する際は是非、塾の担当者、また生徒本人とよく話し合うようにしましょう。