塾選びのポイント
「塾講師の方はどんな方ですか?」
塾を検討中の保護者様とお話しする際、よくこのような質問をいただきます。個別指導塾の授業の場合、先生1人に対して生徒1人~3人で行うところがほとんどでしょう。先生とマンツーマンのような状況になれる授業だからこそ、先生によっては学習の成果に影響がでるかもしれません。そこで、教え方のうまい塾講師とそうではない塾講師の違いと見分け方についてお伝えします。
個別指導塾についてまず知りたい方はコチラ⇒塾選びの前に知っておきたい!個別指導塾に関する7つの疑問
目次
塾の講師の違いについて教えてください
塾講師と言っても、大きく分けて集団授業の塾講師と個別指導の塾講師があります。多くの場合、集団授業の塾講師はプロ講師と呼ばれるような、塾の先生を専門にされている方の割合が多いです。
一方で個別指導塾の講師の場合、講師はアルバイトが多くなります。普段は学生をしていて、アルバイトで先生をしている場合がほとんどです。
とはいえ、講師になるためには、採用テストや研修を受けているので、学力面では十分に指導できるレベルにあります。
教え方がうまい講師とそうではない講師の違いは?
まずは教え方のうまい塾講師とそうではない塾講師の違いはどこにあるかおさえておきたいと思います。
塾講師は勉強が得意な人たちばかりです。しかし、自分でできるという能力と、他人をできるようにさせるという能力は別です。
現役時代は超一流だったプロスポーツ選手でも、引退して監督やコーチになるといまいちパッとしない方もいますよね。これと同じことが勉強においても当てはまります。
スポーツの世界においても勉強においても、どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか。
それは、(生徒が)どこが分からないのか(先生が)わからないという点です。
教える・教えられるという関係においては、常に先生と生徒の理解度にギャップがあります。
教え方がうまい講師は、生徒がどこで分からなくなっているのかを把握しながら授業を進めていきます。
解答を進めていくときは、いくつかのステップを経て解答にたどり着きますが、教え方がうまい先生は、生徒がどのステップでわからなくなっているのか、慎重に見極めながら授業をすすめていきます。
一方で、教え方がうまくない塾講師の場合、自分の頭の中ではスムーズに解答が進んでいるのですが、その流れに生徒が乗っていないことに気づかず、おいてけぼりでどんどん解説を先に進めていってしまうのです。
階段に例えると、講師は3段飛ばしで登ることができますが、生徒は1段ずつしか登ることができません。
このとき、教え方がうまくない先生は生徒の歩幅に合わせずに、3段飛ばしでどんどん先に進んでいってしまいます。
教え方のうまい先生は、生徒の歩幅にあわせて1段ずつ一緒に登っていきます。
例えば、-7+5という問題があったとします。
結構簡単な問題ですよね。すぐに-2と答えられると思います。
しかし、このような簡単な問題においても、頭の中では
- +と-で符号が異なる
- -の方の数字が大きいから、答えの符号は-
- 数字の部分は7-5をして2
- だから答えは-2
という処理をしています。
1年生で正負の数を初めて習う場合、こうした処理をスムーズにできるようになるまでは少し時間がかかります。
まずはひとつひとつの処理をできるようならなければなりません。
このときに、教え方のうまい先生は「この生徒は2番の処理が分かってないな」といったように、どのステップでつまずいているのかを見極めながら進めていきます。
すると、アドバイスが的確なものとなるので生徒からすれば「分かりやすくていい先生」となるわけです。
教え方がうまい講師とそうではない講師の差とは、生徒がどこでつまずいているのかを見極めて、理解度の歩幅に合わせた解説ができるかどうか、という点にあります。
教え方のうまい講師とそうではない講師の見分け方は?
こればっかりは直接授業を見るわけにはいきませんので、どうしても生徒本人からの感想を聞いて判断するしかありません。
そこで、その判断の基準として2つの質問があります。
- 授業の解説は速くない?
- 質問はたくさんされる?
解説が速くないか?と尋ねるのは、もし生徒本人が授業の進め方が速すぎると感じていれば、生徒が置き去りにされている可能性があるからです。
上述したように、生徒と講師では思考の歩幅が違います。
講師が「こんなのは当たり前」と思って気にも留めないようなところで、生徒は立ち止まっている場合があります。
だからこそ、生徒本人が「速すぎる」と感じている場合には、歩幅を揃えることなく置き去りにされている可能性があるのです。
質問がたくさんされる?と尋ねるのは、「頭を使わされているかどうか」という点に関係があります。
授業における解説では「こうやって、次にこうやって、最後にこうやるんだよ」という論理展開がなされます。
これ自体には何も問題はないのですが、多くの場合、頭を使わなくても「うん、うん」と言っているだけで、解説がどんどん展開されていきます。
講師「まずはこうやって」
生徒「うん」
講師「次はこうして」
生徒「うん」
講師「で、こうやったらおわり」
生徒「うん」
と解説が進みます。このとき、頭を使って解説を聞いているタイプの生徒は何も問題は発生しません。
しかし、あまり頭を回転させないまま「うん、うん」と言っているだけの場合もあるのです。しかもかなりの割合であります。
これを講師が見極めないまま授業を進めてしまうと、いざ自分で生徒がやるときに「やり方がわからない」と、なってしまいます。
これを回避する方法として、「質問形式の授業」があります。
解き方の手順を講師が生徒に聞く、という方法です。
講師「まずは何するんやっけ」
生徒「こうする」
講師「次は??」
生徒「こう」
講師「で、最後はどうする?」
生徒「こうやって、こう」
といった具合に授業を進めていくことです。
こうすることで、生徒は強制的に頭を使わされることになります。だからこそ、自分で問題を解くときになって「やり方が分からない」ということがなくなるのです。
講師の良し悪しよりも注意しておきたいポイントとは?
一般的な個別指導塾では、教え方のうまい講師とそうではない講師がいるのは間違いありません。
しかし、手前味噌になりますが、メビウスの場合はこれに当てはまりません。それはシステムとして「教え方が統一されているから」です。
英単語は2回ずつ発音させるとか、この問題の解説をするときは、この手順でこういう質問をして最後は生徒に答えを言わせる、
宿題は必ずこれを出す、といったように、教え方のシステムがきっちり決まっています。
ここでメビウスの指導システムを紹介したのは宣伝のためではなく、重要な点に目を向けていただくためです。
それは、塾講師による指導を管理するシステムがあるか否か、という点です。
個別指導塾は講師による成績への影響が大きい分、講師を管理するシステムができているか、といった部分がより重要になります。
わたしも学生時代は別の個別指導塾でアルバイト講師をしていた経験があります。そこでの指導方針は「自由」という言葉がぴったりくるものでした。
ご本人が定期テストの勉強をしたいといえば、定期テストの勉強。受験に向けて進めて行きたい、といえば受験に向けての勉強。
テキストについても、塾が用意したテキストを使う場合もあれば、生徒が持ってきたテキストを使う場合もありました。
もちろん教え方もすべて講師任せです。
こうしたシステムの個別指導塾の場合、どうしても講師の当たり外れが出てしまいます。講師の指導を管理するシステムがしっかりしていないのが、すべて悪いとは限りません。
講師に指導力があれば、こうした問題はすべて解決されるからです。良い講師に当たれば、成績は必ず伸びます。
しかし、多くの場合は学生のアルバイト講師である場合がほとんどです。教え方のうまい先生に担当してもらえるかどうかは、運任せと言えます。
そうならないようなシステムがあるかどうか、塾講師による指導を管理するシステムにこそ目を向けるべきなのです。
まとめ
個別指導塾において、教え方のうまい塾講師とそうではない塾講師との違いと見分け方についてお伝えしてきました。個別指導においては担当する講師の指導力がダイレクトに成績に反映されます。
だからこそ、講師の指導力に差があるのかどうかを見極めることが大切です。
さらに言えば、講師の当たり外れが運任せにならないようにするために、講師の指導力が高い水準で担保されるシステムがその塾にあるのかどうか、といった点にも注意してみてください。