個別指導塾について
「やっぱり中学生は塾に通わせるべき?」
「どれくらいの人が塾に通ってるのか知りたい」
などと、中学生をもつ親御さんは一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。塾を通わせるメリットとして期待したいのがやはり「成績の向上」。そこで今回は、公立中学校へ通う中学生の塾事情を、親御さんからよくいただく質問をもとに解説していきましょう。塾に通わせるべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
目次
Q1:中学生の塾に通う割合は?
A1:大阪府では70.1%が塾へ通っている
集団形式・個別形式など授業形態は異なるものの、大阪府では70.1%の中学生が塾へ通っています。この値は近年ほぼ横ばいの状況です。なお、通塾率に関しては都道府県によって差があるようですが、全国としてみても61.1%の中学生が塾へ通っているようです。 (中学生通塾率ランキングより)
Q2:学年によって割合は違うの?
A2:1年生で約62.4%、2年生で約70.3%、3年生で約80.1%と学年が上がるごとに高い割合。
傾向として、高校受験が差し迫ってくる高学年での通塾率が高くなっています。 高校受験のために必要な成績である内申点が、1年生の成績から評価される地域においては、1年生から塾へ通う子どもが増えると考えられます。
(大阪府では2018年度の入試より中学1年生からの成績も内申評価対象となります。)
また、公立中学校へ進学する予定の小学5年生・6年生においても、先ほどの理由に加えて、2018年から段階的に実施され、2020年から本格的に実施される『小学5年生からの英語教科化』により英語の重要度が増すため、早い段階での中学校準備として、塾へ通う子どもが増えると考えられます。
Q3:塾に通う理由は?
A3:理由のトップは「一人では勉強しないから」
文部科学省が実施した『子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告』では、子どもを塾に通わせるようになった理由を学年別で表しています。(数値において複数回答あり)
学年別で見ると中学1、2年では「一人では勉強しないから」が、中学3年では「子どもが希望するから」が、最も割合が高いです。
「学校の授業だけでは受験勉強が十分できないから」や「進路選択や受験に必要な情報を得たいから」などの受験勉強を意識した理由は、学年が上がるほど割合も高くなっており、中学3年ではそれぞれ33.9%、25.7%となっています。
Q4:学校の授業だけでは成績が上がらないのですか?
A4:上がります。ただし条件があります。
結論から言うと、学校の授業だけで成績を上げる(高得点を取る)ことは可能です。ただしそのためには条件があります。なぜ学校の授業だけで成績を上げることが可能なのかという理由と、そのために必要な条件をまとめると以下のようになります。
学校の授業だけで成績を上げる(高得点を取る)ことが可能な理由
国が定める指導要領で中学校にて学ぶべき内容が定められているので、中学校の授業で習わないことが定期テストや実力テスト、しいては高校入試の問題で出されることは100%ありません。すなわち、学校の授業だけしか受けていなくても、その内容を100%理解できれば、どんな問題でも解くことができるということです。
また中学校の教師は教育における『プロ』です。大学で教員免許を取るために、教育における法律や授業計画の立て方を学び、教育実習へ行って実際の現場で授業の実践をするなど、教育に関するすべてのことを学んでいます。
そのため、常に教え方の研究をし、毎回授業の前には授業計画をきちんと立てているので、最高級の授業を提供しています。
授業で使用する教科書においても、多くの出版社の中から厳選されたものを使用し、それに付随する問題集やワークも準備されています。問題集やワークがない教科でも、その教科を担当している教師がプリントを準備して、子どもたちが家庭での学習用として使用できるようにしています。
さらに近年では、成績が芳しくない生徒への放課後学習や学校によっては理解の難しい科目(英語や数学)について、生徒の学力に応じて少人数制をとって授業を実施するなど、授業時およびそれ以外でのフォローも行われています。
学校の授業だけで成績を上げる(高得点を取る)ために必要な条件
このように学校の授業だけでも十二分に学習できるような環境・教材が整っていますので、あとはそれをどれだけ活用できるかが課題です。上記でお答えしたように、学校の授業だけで成績を上げることは出来きますが、そのためには、子どもが与えられた環境・教材を100%活用し、さらに家庭においてもしっかりと予習・復習をすることが条件となります。
しかしながら、Q4の調査結果をみると「一人では勉強しない」上に、「家庭では勉強を見てやれない」ということからもわかるように、現実的には学校の授業だけで成績を上げるために必要な条件を満たすことができず、その結果、学校の授業だけで成績を上げることは難しいようです。
Q5:個別塾と集団塾、どちらに通う割合が多い?
A5:集団塾へ通う子供が多い
ベネッセ教育総研「第2回 学校外教育活動に関する調査」によると、子どもが通塾している塾の割合は、個別塾が40.0%、集団塾が56.6%(他3.4%は無回答)となっており、集団塾へ通っている子どもが多いようです。また中には、集団塾に通いながら、苦手な科目を強化するために、その科目だけ個別塾へも通うという形をとっている子どももいるようです。
個別塾と集団塾の違いや、自分の子どもがどちらのタイプに合うのかについてはこちらを参照してください。
→学習塾で集団塾と個別指導がありますが、その違いは?
→うちの子は個別指導塾に向いているの?
まとめ
公立中学校へ通う中学生における塾事情を、保護者の方からよく聞く質問をもとにお答えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
塾へ通う理由は人それぞれですが、「脱ゆとり教育」からくる学習内容の増加や、学習内容が増加したにもかかわらず授業時間数が増えないこと、共働きからくる家庭での子どもに接する時間の減少など、根底には解決し難い問題がどの理由にも共通してあるようです。
だからといって『猫も杓子も』塾へ通うのではなく、自分の子どもに今何が必要なのか、その必要なことは塾へ通うことで改善されるのかをしっかりと見極めて、最良の選択をしてほしいと思います。