勉強の仕方アドバイス
「明日が定期テストということに昨日気付いた」
「定期テスト前日だから少しでも多く暗記しておきたい」
など、定期テスト前日になって焦って暗記勉強をしている人は少なくないでしょう。とにかく少しでも多く覚えて明日のテストに挑みたい人のために、今回は、テスト前日にしておきたいことや勉強方法について紹介していきます。
目次
どれくらいの時間を確保できるのか
まず考えるのが寝るべきか、ずっと起きておくべきかでしょうか。切羽詰まった今、“一夜漬け”を覚悟している方も居られるかもしれませんね。
“一夜漬け”とは試験の前日などに勉強量の不足を補うために徹夜で勉強するという勉強法です。当然ながら、これにはメリット・デメリットが存在します。
一夜漬けのメリット
単純に寝る時間を勉強する時間にできるので暗記する時間が増えます。また、定期テストまで時間が限られておりますので、「何とか間に合わせなければならない」という緊張感があり、本来であれば夜にリラックスするはずの脳がしっかりと覚醒し暗記するために集中状態になります。
一夜漬けのデメリット
夜に緊張感を保ち覚醒した脳は果たして本番である定期テスト時まで、その集中状態を保っているでしょうか。また、夜に寝ていないのだから定期テスト中に睡魔が襲ってくるかもしれません。そのような状態だと、睡魔や集中力の低下により計算ミスやケアレスミスが起こりやすくなります。
このようなメリット・デメリットを踏まえた上で、提案したいのはやはり睡眠時間は確保すべきということです。何のために暗記するかを考えてみてください。定期テストで点数を取るためですよね。それなのに、定期テスト中に眠くなってしまったり、集中力が低下してしまったりして取れるべき点を取れなければ本末転倒です。
そのため、3時間は寝ましょう。なぜ3時間かというと、睡眠は“レム睡眠”と“ノンレム睡眠”の2種類の要素できていて、90分サイクルで繰り返されます。このうち、暗記したことを脳に定着させるのは“レム睡眠”です。そして、レム睡眠はそのサイクルの最後の段階です。つまり、90分の倍数だけ寝ると、暗記した内容が頭に定着しやすいわけです。
では、現在の時間と睡眠時間を考慮した上で、あなたにあと何時間残されているかを考えてください。今からは、その時間をフルに活用していきます。
前日の暗記には3つのことを心掛けよう
定期テストまでに残されている時間はわずか。そのため、先ほど算出した残り時間を有効に使う必要があります。有効に使うために、今からお話する3つのことを心掛けましょう。
1.復習
復習と聞いて、そんな暇がないと思われたのではないでしょうか。確かに復習と聞くと、とても残された時間だと無理のように感じます。 ここで知ってほしいことがあります。エビングハウスの忘却曲線をご存じでしょうか。ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスは、無意味な音節を記憶し、時間とともにどれだけ忘れるかを数値化しました。これによると、人は何かを学んだと時に以下の割合で忘れるそうです。
20分で半分以上忘れると聞くと勉強する意欲がなくなるかもしれませんが、これを踏まえると如何に前日の暗記といえども1回覚えただけでは定期テスト本番において、思い出せる可能性は低いと言えます。そのため、前日の暗記という限られた時間の中でも何度も反復練習を行う必要があります。つまり、どれだけ復習するかで点数が違ってくるのです。
2.範囲を絞る
何度も反復練習を行う必要があると上記でお話しましたが、そうなると定期テストの範囲を全て網羅することは難しいでしょう。どうしても時間が足りません。そのため、暗記する範囲を絞る必要があります。
「全部の範囲をしないと点数がとれない」と思われるかもしれませんが、前日に焦っている今の状態では無理です。だからこそ、定期テスト本番で覚えていることを少しでも増やしましょう。
3.高得点は狙わない
学校の先生は、一夜漬けや前日に勉強したぐらいで高得点が取れるような定期テストは作りません。だからこそ、前日に焦っている段階で高得点は狙ってはいけません。そもそも、範囲を絞って暗記しているわけですから高得点を取るのは難しいでしょう。
そして、どうしても高得点を狙いにいくと、「あれもしないと」「これも覚えないと」と欲が出てきます。そういう欲を捨ててできる限りのことを覚えましょう。
科目別にみる暗記すべき内容
では、ここからは科目別に何を暗記すれば良いかをお話していきます。科目によって、前日の暗記に適している適していない科目がありますし、できることも限られています。ただし、それでも今はできることをやっていきましょう。
国語
国語で暗記できるものといえば、“漢字”や“作品名”・“作者名”でしょうか。少ないと思われるかもしれませんが、覚えれば確実に点数が取れるはずです。
漢字の配点が高い学校があるのではないでしょうか。いつもは漢字の問題は点数が取れていますか。取れていないのであれば、今回は点数を取るチャンスです。
数学
「理系科目で暗記するものってあるの?」と思われるかもしれませんが、当然あります。“公式”と“その使い方”です。
公式を覚えていないと問題を解くことはできません(その場で公式を生み出せたるのであれば別ですが)。また、公式を知っていたとしても使い方を知らないと、これまた問題を解くことができません。
社会
前日の暗記で最も点数を伸ばせそうなのは社会です。ただし、甘くはありません。なぜなら、用語だけを知っていても点数に結び付かないからです。
例えば、“鎌倉幕府”という用語を覚えたとしても、それだけでは問題に答えられないでしょう。その用語に関連する流れや背景、ストーリーなどを知っておく必要があるからです。ただ、限られた時間の中では用語だけでも頭に入れるべきでしょう。
理科
数学と同様に理系科目ですが、こちらも“公式”を覚える必要がありますね。
あとは、理科の場合は数学と違って“用語”もたくさん出てきます。定期テストの範囲によっては、計算よりも用語を覚えることの方が重要な場合もあるでしょう。ただ、理科の場合はイラストや図などと一緒に用語を覚えた方が効果的です。
英語
前日の暗記に最も向かない科目といえるでしょう。なぜなら、英語は積み重ねの科目だからです。今回の定期テストの範囲だけ覚えても、それまでの文法があやふやだと点数に結び付きません。それでも、できることはあるはずです。
それは“単語”と“例文”の暗記です。単語はもちろん覚える必要がありますが、例文を暗記するといろいろと応用が利きます。
例えば、 “can”という単語と意味を覚え、次に“He can play tennis.”
という例文を覚えたとします。じゃあ、主語を変えられても、動詞を変えられても、修飾語を変えられも解くことができるはずです。
なぜ前日に焦ることになったのか
ここからは定期テストが終わってから読んでください。反省は定期テストが終わってからですので。今回、この記事を読むぐらいに前日に焦った理由と、次回の定期テストからはどうすれば良いかを探っていきましょう。
前日に焦った理由
自分自身がいちばんわかっていると思いますが、前日になるまで勉強しなかったことです。
本来、前日の定期テスト勉強というのは“最終調整”です。覚えていたことをアウトプットできるかどうか、それが前日の定期テスト勉強です。エビングハウスの忘却曲線のお話をしましたが、暗記することはそれまでに終わっていなければなりません。しっかり睡眠をとって、本番の定期テストを万全の状態で、100%の力を発揮するためにも、前日の勉強方法を改めましょう。
次回の定期テストからはどうすれば良いか
ここまで前日の暗記についてお話してきましたが、普段の勉強でも言えることです。そもそも、学校で習ったことをいちども復習せずに覚えられていたら苦労はありません。
エビングハウスの忘却曲線からもわかるように忘れることを前提に勉強する必要があります。普段から反復練習を繰り返すことで定期テスト時に覚えられている状態になるのです。“夜寝る前”、“朝起きた直後”、“学校の休み時間”、“他の科目の勉強後”など、反復練習をする時間はいろんなところにあります。
普段から少しずつやっていると、1日15分ほどで済むはずです。それを今回のように前日に一気にしようとするから時間がなくなるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
前日になって“一夜漬け”をしないといけないぐらい自分を追い込まないためにも、普段から少しずつ勉強していきましょう。
前日に頑張る時間を分散させれば良いのです。そうすることによって、前日にやるべき定期テストの勉強内容は変わってきます。きっと、定期テストに臨む気持ちや姿勢も変化するはずです。範囲を絞る必要がなくなり全範囲をしっかり勉強できていれば、自信がみなぎった状態で当日を迎えられますし、高得点を狙いたいという気持ちが現実的になります。
次回の定期テストは自分自身に期待しましょう!