勉強の仕方アドバイス
「部活があってなかなか上手く勉強時間を確保できない」
「今日は友人と遊びに行くから勉強はしない」
中学生時代は勉強だけでなく、部活や友人付き合いなど、なにかと忙しいですよね。どんなに忙しい生活をしていても定期的にやってくるのがまさに“定期テスト”です。直前になって「全然勉強ができてない…。」ということにならないよう、テスト勉強は普段から計画を立てながら進めておきくべきでしょう。 そこで今回は、一般的な勉強時間や、必要とされる勉強時間の目安、効率の良い時間の使い方などを紹介していきます。
目次
中学生は普段どのくらい勉強しているの?
テストに向けて勉強しなきゃ!・・・と言っても、普通はみんなどのくらい勉強しているのか意外とわかりづらいですよね。
「今回ノー勉だわ~」と言ってた友達の○○君が、終わってみたらテストで高得点だった、なんて事もあるので友達との普段の会話はあてになりません。実際のデータから学年別に見てみましょう。
中学1年生~中学2年生
ベネッセが過去に行った調査では、中学2年生の学校以外での平均的な勉強時間は87.0分でした。多いのか少ないのか、これだけではピンと来ませんよね。ではこの時間を中学2年生の一般的なスケジュールに当てはめて考えましょう。
大半の中学生は、学校から帰ってきてからの時間から勉強時間を取っています。部活をしている場合、18時に終わり、そこから帰宅などで30分くらいはかかるでしょう。
夕食に1時間程度時間を取り、入浴や翌日の準備等でも合わせて1時間程度かかるでしょう。
夜23時くらいに就寝につくと考えると、残りで自由に使えるのは2~3時間程度となります。
その中から約1時間30分を勉強に使っていると考えれば、意外と余裕がないな、となるのではないでしょうか。
中学3年生(夏以降)
中学3年生の場合、普段の定期テスト対策だけでなく、受験に向けた勉強をするようになります。 また、部活動も夏には引退となるので、そこから平均的な勉強時間はグッと増えるようになります。
こちらもベネッセの調査によると、9月頃の平均的な勉強時間は1日2.8時間。入試時期の前になると平均3.6時間というデータがあります。 ただし中学3年生の場合、個々で差が激しくなっています。
入試直前でも家でほとんど勉強しない層が1割程度いる一方、平均5時間近く勉強している層もいますので、どの程度の勉強時間が必要かは、自身の受験目標などから考えていかなければいけません。
定期テストまでにどれくらい時間が取れる?
中学生のみんなはテスト勉強をいつぐらいから始めているのでしょう。
調査によると、中学生がテスト勉強を始めるタイミングは、近年どんどん早くなっているのです。
以前は1週間前から始める中学生の割合が一番多かったのですが、最近は2週間前からテスト勉強を始める中学生の割合が一番多くなっています。
定期テストでいい成績をとるためには、以前と比べるとより早くから始めないといけなくなっている、とも言えますね。
では、ここでは実際にテスト2週間前からどういったテスト勉強を勧めれば良いのか、お伝えしていきます。
テスト2週間前まで
テストまで2週間前までは、テスト勉強と言われてもイメージ出来ないかもしれません。まだテスト範囲もはっきりとしない時期なので、この時期に大切なことはテスト勉強というよりも日々の授業の予習・復習をしっかりとやっていく事です。
部活動があり、時間を割くのにも限界がありますよね。
今日は3時間やるぞ!と勢い込むよりも、毎日継続して勉強時間を取る事が最も大事な時期と言えます。
まずは1時間、あるいは30分程度でも家での勉強時間を必ず取る事を意識しましょう。
テスト2週間前
最近の中学生は、この時期からテスト勉強を始める人が最も多くなっています。とは言えまだ部活動も行われている時期。平日はまだ時間に余裕のある時期ではありません。
そのため事前に計画を立てておき、テスト勉強に割ける時間帯を予め把握しておくことが重要になります。その日の予定によって変わりますが、この時期は1~2時間の勉強時間が目安になります。
部活後、家に帰ったあとだとどうしても疲れていて机に向かう気がしない・・・という中学生は、夜は思い切って早めに寝ることを意識し、朝早めに起きて勉強時間を作る「朝型勉強法」をおススメします。
朝5~6時に起きれば学校に行くまでに1~2時間の勉強時間が確保できます。眠くて集中できない状況で勉強するよりも効果的なので、ぜひ一度試してみてください。
自分で朝起きれるか不安・・・という方には、朝〇時に起きて勉強する、と宣言し、起きていなかったら起こすよう家族に伝えましょう。自ら宣言をする、というのがポイントで、それが制約として最も効果的だからです。
最も良いのは、同じ朝型勉強法をする友達と約束し、確認の連絡をお互いすることです。
テスト1週間前から
定期テスト1週間前になると部活動が原則休止となり、テスト範囲も確定します。定期テストが迫ってきていることを実感できる時期となり、テスト勉強が本格化する時期となります。
この時期にはテスト範囲の中で自分が苦手とする分野を集中して復習していきたい時期です。テスト前に一気に総復習してしまおうという中学生も多いですが、それでは既に十分出来ている範囲も確認することになり、貴重なテスト前の時間を効率よく使えているとは言えません。そのために1週間前までにコツコツと予習復習をしておくことが大事となってくるのです。
この時期の毎日の勉強時間は平日2~3時間が目安となってきます。また、土日の時間の使い方も大事になってきます。部活も休みでたっぷりと時間が取れますが、ついダレてしまいがちでもあります。
理想を言えば8時間くらい勉強にあてたいところですが、無理に時間を長くとるよりもメリハリをつけることが大切になります。
そのためには出来れば塾の自習室、あるいは図書館などを利用して、勉強に集中できる環境を作りましょう。また、適度に休憩を入れることも大事です。1時間~1時間半程度集中して取り組んだ後は、10分程度の休憩を入れることが理想的です。
眠くなった場合には、思い切って15分程度仮眠を取る事が効果的です。 とにかく、「何となく」机に向かっているだけにならないよう心掛ける必要があります。
テスト前日・当日
いよいよテスト直前。計画的に勉強を進める事が出来ていれば慌てることは少ないはずですが、そうでない場合は焦る人も多いですよね。こういう場合ありがちなのが、睡眠時間を削って詰め込み勉強をするパターン。
しかしテスト直前の詰め込み勉強は原則NGです。
なぜなら前日の夜遅くまで勉強している場合、テスト当日は眠気で頭が働かず、睡魔と闘いながら問題を解かなければならなくなるからです。
覚えた解き方や内容をテスト本番で出来なくなっていては本末転倒です。定期テスト前日や当日は最低でも7時間は睡眠時間を確保し、朝食などもきちんと取るようにした上で逆算して、勉強時間を確保しましょう。
勉強するのに適した時間帯は?
どの時間帯に勉強すれば良いのか。これを全ての中学生に当てはめて考えるのは難しいです。
朝に勉強がはかどるタイプなのか、夜に勉強がはかどるタイプなのかは、人によって様々だからです。
後に説明するように取り組む内容によって効率的な時間帯は変わりますが、だからといって夜に集中出来ている人が無理に朝型に変える必要はありません。
しかし、現時点で夜に勉強がはかどっていない人には、時間帯を変えてみるのは有効な選択肢になります。 普段の家での勉強の様子を思い浮かべて、どうも集中力が足りていないな・・・という方は取り入れてみましょう。
朝に適した勉強法
朝起きてからの3時間は、パフォーマンスが最高になっている「脳のゴールデンタイム」だという研究報告があります。なので1日で最も脳が活動的な時間帯に勉強をするのは理にかなっていると言えます。
この時間帯にやっておきたい勉強は、数学や理科の計算問題を解く、あるいは文章を書いたり、教科書や参考書を読んで興味がある分野の理解を深めたりするなど、 アウトプットできる内容の勉強が適しています。
予習か復習かで言うと、比較的予習に向いている時間帯とも言えます。
夜に適した勉強法
一方で夜に行う勉強として適している分野は、英単語、数学の公式、社会・理科の二分野などの暗記系の勉強です。そして復習を行うのが最も適した時間でもあります。
勉強をした後24時間以内に10分以上の復習を行うと、記憶率はほぼ100%になるという研究結果があるように、学校や塾で勉強した内容をその日のうちに復習を行うことは高い効果があるのです。
もう時間がない!そんな時の時短勉強法とは?
これまでは2週間前から準備を立てていく方法や、勉強する時間帯についてお話ししてきました。
もちろん早めに準備し、コツコツと積み重ねていく勉強が王道であり、最も効果的ではあります。とは言っても全然出来ていないまま気づいたら定期テスト数日前だった・・・、今から出来ることはないの?という人も中にはいるでしょう。
望ましくはありませんが、そんなパターンでの勉強法もここでお伝えしましょう。
①ワークを高速で解く
定期テストの内容は、課題としても出されるワークから多くが出題されます。なので時間のない状況であればワークを集中して解くのが効率の良い方法です。「そんなスラスラ解けないよ~」と思うかもしれませんが、最初は考えて解く必要はありません。サッと見て解けなければ解答を見て答えをノートに書き写すやり方でOKです。
ここでは時間をかけずに最後までワークに目を通す事が重要です。その際に答えが出なかった問題に印をつけておきましょう。
②答えの出なかった問題を解き直す(1回目)
次に、一度見て答えの出せなかった問題を解き直していきます。ここでは少し時間をかけて答えを考えましょう。
それでも答えが分からなかった問題や、間違えていた問題は、解説や教科書を確認し、なぜ間違えたかしっかり見直していきます。間違えたけれど解説を見て理解できた問題には再度印をつけておきます。
③答えの出なかった問題を解き直す(2回目)
そして最後にもう一度だけ解き直しをします。時間がない状況での解き直しなので、ここで解き直すのは2回目の解き直しで印を入れた問題だけにします。
理解は出来るけど問題で出されるとイマイチ正解が出せない、そうした問題を解けるようにすることが最も定期テストの点数アップに繋がるからです。
この方法であれば定期テストまで1週間を切っていても対応が可能でしょう。ただしあくまで「応急処置」。ずっとこんなやり方では成績はジリ貧になりますからご注意を!
まとめ
以上で、定期テスト前の勉強の時間配分や効率の良い勉強法を、中学生の平均的な勉強時間やスケジュールとともに解説してみました。 まとめると以下のようになります。
①中学生の平均的な勉強時間はおよそ1時間半
②部活のある時期は1時間程度、テスト期間には2時間程度が平均的な勉強時間
③勉強がはかどらない人は勉強時間を朝に変えるなど工夫をしよう
④朝は問題演習や予習が効果的、夜は暗記型、復習が効果的
⑤定期テスト直前で時間がない中学生は、もう少しで理解の出来そうなワークの問題を集中的に!
一括りに中学生といっても、時期によって忙しさや考え方は変化していきます。自分の生活を振り返って、どこで勉強時間を取るのが効率的か定期的に見直すようにしましょう。